園長のお話し

「絵本の世界を楽しむ」

 

 - 井石 彰

 子どもたちは絵本が大好きです。保育棟に行くと、子どもたちは自分の好きな絵本を持ってきて、「読んで、読んで」と求めてきます。そこで、子どもたちをひざの上に乗せて、絵本を読み始めます。それはこれまでも何度も読んで、子どもたちのよく知っている絵本です。でも、何度読んでもらっても、子どもたちにとっては楽しいのです。その楽しさと喜びの中で、子どもたちの心は伸びやかに、そして豊かに育っていきます。
 子どもたちは大きくなるにつれ、色々なことに興味を持ちます。先生たちは子どもたちの興味や成長に合わせて絵本を選び、読み聞かせを行っています。子どもたちの好きな絵本の中には、長年親から子供に語り継がれてきた昔話もあります。今年の生活発表会でも、各クラスが自分たちの好きな絵本をもとに劇を行います。その中で、年中ばら組さんたちはウクライナ民話「てぶくろ」のオペレッタを、年少すみれ組さんたちはノルウェー民話「三びきのやぎのがらがらどん」の劇を行います。子どもたちは絵本の読み聞かせを楽しむだけではなく、オペレッタや劇をとおしてその絵本の世界を体験するのです。
 「三びきのやぎのがらがらどん」は、ノルウェーの父親で知らない者はいないと言われるほど、父親が子どもによく話してきかせるお話です。そのお話には恐ろしい妖精トロルが出てきて、三びきのやぎたちを襲おうとします。しかし、やぎたちは知恵を働かせてトロルを打ち負かし、無事に橋を渡りきることができます。そのお話には、子どもたちに困難を乗り越えて、たくましく成長してほしいとの願いが込められています。
 「てぶくろ」は、真冬におじいさんが落とした手袋に、暖かさを求めて七匹の動物たちがつぎつぎと入るお話です。とてもありえないお話なのに、手袋にみんなが入りこめたことで、なんだかほっこりして「よかったね」と思えるから不思議です。今、ウクライナの子どもたちは、この絵本をどのような思いで聞いているでしょう。一日も早く戦争が終わり、子どもたちが安心して絵本を楽しむことのできる日が来ることを祈ります。

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