園長のお話し

たんぽぽの花のように

 

 - 井石 彰

子どもたちは幼稚園での新しい生活に少しずつ慣れてきたようです。それぞれに自分の楽しみを見つけて、遊び始めています。これから徐々にその遊びが広がり、深まっていくのを見守りたいと思います。
暖かな陽ざしのもとで、園庭でもまもなくたんぽぽがいっせいに花を咲かせます。たんぽぽが花を咲かせるのは、陽あたりの良い柔らかな土地だけではありません。石ころだらけの場所でも、コンクリートの狭いすき間でも、わずかな土地があれば、そこに根を張って、小さな太陽のような花を咲かせます。たんぽぽの花を見ると、いつもそのたくましさを感じます。
今は亡きカトリックのシスター渡辺和子さんの「置かれた場所で咲きなさい」という本が、かつてベストセラーとなりました。その中で、渡辺さんはご自分の体験を踏まえてこのように書かれていました。「置かれた場に不平不満を持ち、他人の出方で幸せになったり不幸せになったりしては、私は環境の奴隷でしかない。人間と生まれたからには、どんなところに置かれても、そこで環境の主人となり、自分の花を咲かせようと、決心することができました。」そして、読者にこのようなメッセージを残されています。「どんなところに置かれても花を咲かせる心を持ち続けよう」と。その言葉は、今も心に響きます。
私たちの「置かれたところ」は、みんなそれぞれに違っています。しかも、私たちはその「置かれたところ」、すなわち境遇を自分で選ぶことはできません。でも、その中でどのような生き方をするか、それは自分で選ぶことができます。そして、私たちは置かれたところで、自分の花を咲かせることができるのです。
私たちは子どもたち一人ひとりがたんぽぽの花のようにそれぞれの「置かれたところ」でたくましく成長をし、自分の生き方を見つけて、世界に一つだけの自分の花を咲かせてほしいと願っています。そのためにも、幼稚園は子どもたちの「置かれた」環境の一つとして、子どもたちの成長のために愛情を注ぎつづけていきたいと思います。

「子どもたちに仕える」を合言葉に

 

 - 井石 彰

新年度が始まりました。コロナはいまだ収束には至っていません。しかし、その中でも子どもたちは今を一所懸命に生き、日々成長をしていきます。私たちはその子どもたちの成長を見守り、援助していきたいと思います。
かおり幼稚園では新年度の初めに教職員による礼拝を行っています。今年礼拝の中で耳を傾けた聖書の箇所には、イエスさまの弟子たちのしていたある議論が書かれています。その議論とは、「自分たちの中で、誰がいちばん偉いか」というものです。弟子たちの誰もがイエスさまのいちばん弟子になりたいと思っていたのです。そこで、イエスさまは弟子たちを呼び寄せて言われました。「いちばん先になりたい者は、すべての人の後になり、すべての人に仕える人になりなさい」と。イエスさまは人の上に立って多くの人に仕えられる人よりも、身を低くして多くの人に仕える人の方がはるかに偉いと言われたのです。弟子たちはその言葉に驚きました。というのも、「仕える人」よりも「仕えられる人」の方が偉いと思っていたからです。
それからイエスさまは、一人の子どもの手をとり、抱き上げてこう言われたのです。「わたしの名のためにこのような子どもの一人を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。わたしを受け入れる者は、わたしではなく、わたしをお遣わしになった方を受け入れるのである」と。イエスさまは子どもを抱き上げて、「仕える」とはこの子どものような小さな者の一人を受け入れ、愛することだと言われたのです。そして、子どもの一人を受け入れ、愛する者は、イエスさまを受け入れ、イエスさまをお遣わしになった神さまを受け入れることになるのだと言われたのです。
かおり幼稚園ではこのイエスさまの言葉を受けとめ、「子どもたちに仕える」を合い言葉にして、教職員みんなで子どもたちを受け入れ、子どもたちに愛を注ぎ、その成長のために仕えていきたいと思っています。