園長のお話し

「折れない心」

 

 - 井石 彰

度重なる緊急事態宣言に、「またか、いつまでがまんすればいいのだ」と思われた方も多いのではないでしょうか。幼稚園でも、そのたびに保育や行事の見直しをせざるを得なくなり、保護者の皆様にもご迷惑をおかけしていることを申し訳なく思います。

コロナ禍の中で、大人だけではなく子どもたちも、みんなががまんの生活を強いられています。そのような中で行われた東京オリンピック、パラリンピックは、私たちにたくさんの感動と勇気を与えてくれました。特に、障がいを持ちながら、それぞれのスポーツに磨きをかけて、全力で競技をしている選手たちの姿は、みんなの心に熱く焼きつきました。思えば、選手たちは障がいのゆえにどれだけ悩み、苦しんできたことでしょう。でも、いくどもくじけそうになりながら、それに負けない「折れない心~レジリエンス」を身につけていったのだと思います。選手たち一人ひとりの胸にあるその「折れない心」こそ、どんなメダルよりも輝いていました。

その「折れない心」は、選手ひとりの力で得たものではないと思います。その証拠に、インタビューを受けた選手たちのほとんどが、自分を支えてくれた多くの人たちへの感謝をのべていました。「折れない心」は、周りの人たちの愛とその支えの中で育てられたのではないでしょうか。

教育の世界では、幼児期に生涯にわたって役立ち、人生を豊かにする非認知能力(心の能力)を育てていくことの重要性が認められるようになりました。その非認知能力の一つに、目標に向かってがんばる力(ねばり強さ、がまんする力)があります。そのがんばる力は、家族や先生たちの愛による支えや遊びの中での友たちとの関わりをとおして育てられていきます。

コロナ禍はまだしばらく続くかもしれません。その中で、大人も子どももコロナに負けない「折れない心」を育て合っていきたいと思います。

「空のカラスを見なさい」

 

 - 井石 彰

今年の夏は猛暑が続きました。幼稚園では園庭にテントをはり、その下で子どもたちはプールなどの水遊びを楽しみました。その園庭の畑には、年長の子どもたちの植えたトウモロコシが夏のひざしを浴びてスクスクと成長し、実をつけていきました。子どもたちは収穫を楽しみにしていました。そんなある日、トウモロコシの成長をひそかにずっと楽しみにしていた別の存在がいることを知りました。それは、あの黒づくめのカラスです。トウモロコシがおいしそうな実をつけ始めると、それまで一度も見かけなかったカラスが数羽やってきて、トウモロコシの実をつついて食べ始めたのです。そこで、急遽カラスよけを置き、ネットを張りました。しかし、カラスたちは執拗にトウモロコシをねらってきました。それにたいして、子どもたちも「こらー!」と叫んだり、鍋をたたいてカラスを追い払ったりと、カラスとのバトルを繰り広げました。収穫までにどれくらいのトウモロコシを守りぬくことができるか、心配です。

カラスはほんとうに賢い鳥です。そのカラスを多くの人は気味悪がったり、嫌ったりします。聖書においてもカラスは宗教的に汚れた生き物とされ、人々から忌み嫌われていました。しかし、イエスさまは違いました。イエスさまの目には、カラスも神さまに生かされ養われている命でした。だから、イエスさまは明日の食べ物のことで思い悩んでいる弟子たちに言われました。「空のカラスを見なさい。神さまは食べ物を与えてカラスを養っていてくださるでしょ」、「神さまにとってあなたたちはカラスよりもはるかに価値があるのですよ」。だから、「思い悩まないで、あなたたちを愛し、必要なものを与えて養ってくださる神さまを信じなさい」と。

全国に新型コロナの感染が拡大して、緊急事態宣言がいつ発出されてもおかしくない中で、

2学期が始まりました。そのような中でも、私たちは子どもたちとともに私たちを愛し、生かし、養っていてくださる神さまを信じて一日、一日を歩んで行きたいと思います。